おしゃれなのは当たり前、プラス、どんな価値があるのか
CANALIZE meets Akiko Murata | MA déshabillé

2017.05.15

――まず、村田さんのモノづくりの独創性は、アントワープ王立芸術アカデミーに通って培われた部分がやはり大きいのでしょうか。

「確かに私が通った当時は、マルタン・マルジェラやラフシモンズなどが全盛期でした。でも私自身はマルジェラとかより、古いシャネルやサンローランのほうが好きで。学校は厳しいところだったので奴隷のように課題をこなす日々でしたが、アバンギャルドなことだけでなく、ちゃんとクラシカルなことも学べたのは良かったですね。ただ、いまの自分のクリエーションにつながるのは、学校の外でヴィンテージディーラーの人と仲良くなったことが大きいと思います。私が痩せていたので、1950年代のドレスを試着させてもらったり、シャネルのクチュールはじめ、たくさんの稀少な服、生地に触れたりする機会を得られたのです」

――帰国後に「MA déshabillé」をスタートされましたが、クチュールを見つめてきた方が“72時間着続けても疲れない服”をコンセプトに寝巻きや部屋着を作る、というのは意外な感じがしました。

「最近は、『パジャマって、ブームだもんね?』なんて言われますが、全く儲かっていなくって(笑)。ヴィンテージのディーリングをしていた時、シャネルやサンローランなどの売り物にできないものを着ていたりして、そういう、“雑に着られる良い服”って面白いな、と。アライアのようなボディコンシャスな服も好きなのですが、着続けると疲れる。主観的な皮膚感覚で始めたのです。肌触りが良くて締め付けの少ない、今日は何を着ようか考えなくても済む服……というところから部屋着に行き着きました。まあ、部屋着というより、略着ですかね。セカンドスキン、のような、着る人に馴染む服であればいいと思います」

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――「MA déshabillé」の服は、シルクやヘンプなどの素材感、ヴィンテージの生地やボタンにしても、どこかエスニックな雰囲気が漂っていますよね。

「帰国前、少しファッションに疲れてしまった時期にミャンマーやモロッコを旅して、かなり引っぱり込まれた時期がありました。ミャンマーやモロッコって、その土地に生きている暮らしの知恵が、宗教と密接に繋がっているんです。お風呂の入り方ひとつ、その後に使うタオルの質感ひとつをとっても、私たちとはまったく違う。そういったアメリカナイズされていないものを探していたし、気持ちいい、とか、健康にいいとか、精神にいいとか、自分が大切に想う誰かとシェアしたい体験とか、そんな観点を服づくりに取り入れたいと思いました。感じるもの、フィーリングみたいなことを扱っていきたい。といっても外に出た時などに、見た目が悪いよりは、良いほうが絶対いいよね、というところでの今ですね」

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Photo_MURAKEN
Text_Kumiko Ishizuka

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