おしゃれなのは当たり前、プラス、どんな価値があるのか
CANALIZE meets Akiko Murata | MA déshabillé
――「MA déshabillé」は癒しの服、といわれることについてはどう感じていますか?
「最高の着心地で癒されて欲しい、という想いはあるので嬉しいです。ただ、癒しとしいってもお腹まわりが楽でだらけてしまうような癒しではなくて。例えば、人からキレイと言われることやセックスとか……精神を集中させて、ポンッと抜けた瞬間に訪れる感覚。緊張とリラックスの両方がある癒し、私はそっち派です。訓練をきちんと積むから、次のプロセスをすごく楽しめる、といった具合が好きです」
――肌触りの良さ、上質へのこだわりに加えて、オーガニックという要素を服作りに取り入れることについては背景にどんな想いがあるのでしょうか。
「年齢を重ねるにつれ、ファッションよりも、まず健康であることが大事! と思う方って、増えていくと思うんです。そこを突き詰めると、MAはいつかパジャマではなく、最高に肌触りの良い布を巻いて、その感覚だけを持ち帰ってください、という“触るセラピー”になってもいいのではないかと。そう思っているので、有機栽培されたコットンやヘンプの生地を取り入れているんだと思います。とはいえ素材の素朴さをそのまま出すのではなく、洗練された仕上がりに持っていくハンドリングはとても難しいですね」
――服ではないアイテム、タイのオーガニック生地を使った、体を温めるファブリックツール“ハーブパット”もMAから出されていますよね。
「そうですね。おしゃれなのは当たり前で、プラスどんな価値があるかということをつねに考えているので。ハーブを使ったアイテムは、今後もっと作っていきたいと思っています」
――タイの生産現場に、実際に足を運ばれたことはあるんですか?
「はい。ああ、訪ねて良かった。と思いました。種からコットンが栽培され、それが糸になり、生地になっていくという一連のプロセスを、この目で確認できたので。やはり生地って生き物なんですよね。結果だけを知るのではわからない、点と点が線で結ばれる感覚。写真ではわからない、環境から発生するロジックの部分。そこをできるだけ味わってから製作したら、MAの服を購入くださった方にとっての楽しみも、一過性のものではなくなると思うので」
――ファッションはどうしても見た目の部分ばかりに注目が集まりがちですね。
「そういう意味で私がやってきたことは、たまたまファッションというカテゴリに属しているだけなんだと思います」
村田明子/MA déshabillé デザイナー
アントワープ王立芸術アカデミーファッション科卒。在学中にルイ・ヴィトンの150周年を記念するアクセサリーデザインのコンペにて大賞。Vivienne Westowoodでインターンとして働いた経験も。卒業後はスタイリストやヴィンテージディーラーを経て日本に帰国。2013年より『MA déshabillé』をスタート。
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