東京人の生活に寄り添う、今も昔も変わらない場所
CANALIZE meets Uichi Yamamoto|BOWERY KITCHEN
カフェ文化の創世記から続く バワリー・キッチンの今
――バワリー・キッチンができて、もう20年も経つんですね。当時、ファッションや音楽などさまざまなジャンルの感度の高い人たちが集まっていたことを覚えています。
「僕たちがお店をつくった当時、こういうスタイルのお店がなかったので、自分たち自身が飢えていたんです。同じように、本当に遊んでる人たちが集まる場所を欲しがってたんだと思うんですよね。みんながおしゃれをして、それぞれが遊ぶ中でそのままここに来てた。ご飯を食べに来ているというより、みんな遊びに来てましたね」
――当時と比べて変わったと感じることはありますか?
「うちのお店自体は変わっていないと思います。当時若手だった人が大御所になってもそのまま来ていたり、子どもの頃から来ていた人が大人になっても来ていたり。うちのテンションは変わらないんですけど、せっかくこういう自由なお店を作り出したのに、儲かる・儲からないというビジネスとして注目されてしまって、いろいろな企業が参入してきましたよね。あるいは海外から新しいブランドを買って……洋服と一緒です。海外の看板を買って東京の街にいっぱいつけて。そうすると、自分たちが始めたときのモチベーションとは違うモチベーションの店が増えていくんですよね」
――バワリー・キッチン以降、感化された人たちが同じようなお店を作ったことも事実ですが、目的が違ってきてしまった。
「もちろん、当時僕たちのお店を見たり、当時の空気をたくさん吸ったりしてお店を始めた若い人たちもいると思うんです。日本中からたくさん来てましたから。今はどちらかというとコマーシャルとしてのお店作りというか。一時ね、『僕もカフェやりたいんですけど』って聞いてきた人たちに、儲からないし大変だから止めたほうがいいよって言ってたんですけど、結局そういうものがファッションと結びついたり商業施設にできたりして注目されるようになって、僕たちが最初に思い描いたものとは違うお店が増えていきました」
――お店の数自体もかなり増えたと思います。
「東京に面白いお店がもっとあったらいいのになって思ってたので、お店自体が増えたことはいいことですね。ただ、そのお店に通っている人たちから、本当に愛されてるお店がどれくらいできたのかなって。お客さんとお店が一緒に成長していくようなお店というか。それは街もそうだし人もそう。でも、そういうこととは違う流れが目立つようになってきていますね」
山本宇一
1963年生まれ。heads代表。都市計画、地域開発などのプランニングに携わった後、三宿のwebを皮切りに飲食業に転身。東京のカフェブームのきっかけとなる駒沢のバワリー・キッチンや表参道のロータスをはじめ、原宿のモントークや白金のアーヴィングプレイス、丸の内ハウスなど、大小数々の空間プロデュースを手がける。駒沢のプリティシングスはポップアップストアなども行い、東京の隠れ家的存在として新たな魅力を放つ。
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