東京人の生活に寄り添う、今も昔も変わらない場所
CANALIZE meets Uichi Yamamoto|BOWERY KITCHEN
――今手掛けているプロジェクトはどんなものですか?
「下北沢の駅に大きな商業施設ができるんですけど、そこの企画をやっています。電車が地下に入って下北が変わるって、もう20年くらい前から言われていた場所です」
――その話、そんなに前からあったんですね。
「ありました。みんな反対してて、僕はそれを客観的に聞いていました。でも、それに自分がかかわることになるとは思っていなかったし、知り合いが反対しているところをやりたくないなとも思ったんですけど、僕がやれば、みんなが思っているような開発には絶対にならないと思って引き受けたんです。もっと言うと、自分も下北でお店をやっていたんですけど、いい街になり切れなかったなと思っていて」
――あの下北沢の独特なごちゃっと感が大好きでした。小さなお店が軒を連ねている感じで。
「本当にいい街になっているところを邪魔するつもりはないんですけど、下北ってこうだったかな? っていう気持ちはありました。ごちゃっとしてて、角を曲がると何が出てくるかわからないような街だったのに、いつの間にかカレー屋とラーメン屋ばかりになっちゃった。もともとあった闇市はデザイナーがいるわけでもなく、あれがまさにデザインだったんですよ。すごく小さなところにいろいろなものを積み上げて、隣りと突き合わせるように商売をやって。でも、今はいわゆる下北らしいデザインはなくなりましたよね。何があるかって言ったら安売りのポスターばかり」
――じゃあ、下北の再開発は楽しみにしていていいんですか?
「相当楽しみにしてもらっていいですよ」
――今後はどういうものをつくっていこうと思っていますか?
「僕は飲食ばかりをつくってきましたけど、あまり飲食だとは思っていないんです。プリティシングス(駒沢)も、コーヒーを出しているけど、飲食店じゃないからな。やっぱり自分がお店を始めたとき、海外の伝説的なお店には、そのお店に行きたいためだけにチケット取って行きましたから。お店そのものもそうですけど、そういう物語ができるようなお店をつくっていけたらいいですよね」
Fin.
バワリー・キッチン
住所:東京都世田谷区駒沢5-18-7
電話:03-3704-9880
営業時間:11:00~翌AM4:00
ランチ/月~金11:00~17:00
定休日:無休
プリティシングス
住所:東京都世田谷区駒沢5-19-10
営業時間:11:00~21:00
山本宇一
1963年生まれ。heads代表。都市計画、地域開発などのプランニングに携わった後、三宿のwebを皮切りに飲食業に転身。東京のカフェブームのきっかけとなる駒沢のバワリー・キッチンや表参道のロータスをはじめ、原宿のモントークや白金のアーヴィングプレイス、丸の内ハウスなど、大小数々の空間プロデュースを手がける。駒沢のプリティシングスはポップアップストアなども行い、東京の隠れ家的存在として新たな魅力を放つ。
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