ファッションとは無縁の生活から生まれた自分らしい服づくり
CANALIZE meets AYUMI TANABE

2017.11.27

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沖縄のペースをキープしながら
買う人の顔が見えるものづくりを

――こういう服が作りたいっていうところから入るんですか? それとも素材を見つけて考えるんですか?

「ほとんど素材が先ですね。素材といっても、ほとんどタイシルクなので、そこをメインにして。2、3割ヨーロッパのインポートの生地やベルベットを使っているんですけど、それも基本的にタイで探しています。素材もパーツも生産も、すべてタイで」

――デザインの発想はどこから生まれるんですか?

「最初はシルクのTシャツが欲しいと思ったんですよ。着ていて気持ちいいし、それなら毎日着るかもと思って。だから基本的にはカジュアルでベーシックなものをシルクで作るってことですね。普通にタイシルクの商品を買おうとすると、どうしてもドレッシーなものになってしまうので、そこをもっとカジュアルに入りやすく。タイシルクの入口を広げる感じです」

――オーダー会のようなことをやられているんですか?

「東京と沖縄で販売会をやっています。ほとんどひとりでやっているので、そんなに作れないんですよ。オーダーを取ったとしても、それを本当に自分で管理できるのか不安で。今は自分が手に負えるだけの数を作って、それをある一定の期間で売る直売の形ですね」

――型数はどれくらいあるんですか?

「前回は8型で、今回は12型くらいあって、300着くらいですね。同じ型でいろいろな柄や色で作るので、一見すごく型数があるように見えます(笑)」

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――ネットで販売してほしいという声も聞かれますが。

「そういう声はいただくんですけど、何より今の販売方法が気に入っているんです。買ってくださる方、全員に会えるっていう。ひとつひとつの特徴も話せるし、洗い方も説明できるし、ケアもそんなに大変じゃないですよってきちんと伝えられるのが、すごくいいなと思ってしまって。一度そうやって売ってしまったら、商品だけがひとりで歩いていって、ポンっと顔の見えない誰かの手元に届くっていうことが想像できないんですよ。いずれはネットやお店でも展開しようとは思っていますが、今はまだその段階ではないかなって」

――確かに、普通にお店で買ったら自分で洗濯をしようとは思わないかもしれないですね。

「普通に洗濯ネットに入れて洗えるんですよ。でも、強い色は、結構色が落ちるんですよね。いくらタグに注意事項が書いてあっても見ていない人が多いので、そういうことも考えたら、やっぱり会って説明したいですね」

――今後はどういうペースで発表していくんですか?

「シーズンとかまったく関係なく、出来上がったら販売するスタイルです。本当は小さい規模でも年に2回くらいできたらいいなって思ってたんですけど、やっぱり無理だな、みたいな(笑)。でも、自分でやっているからできることだし、『ari』は自分の中で大きなものではあるけど、それだけになるのは違うかなって。子どもといる時間も大事だし、旅行もしたいし、そこに負担がない形で『ari』がある。『ari』に追われる日々になったら続かないと思うんです。あくまでも自分が楽しむために始めてるので、そこだけは外れないようにしたいですね」

――自分のペースでゆっくりと。

「忙しいですよね、東京。葉山に住んでいたときから、ちょっと違う時間軸で生きてるなって思い始めて、それが沖縄に行ったらますます強くなって。もう東京のペースに自分はフィットしないので、沖縄にいるくらいがちょうどいいのかなって思っています。だから『ari』のスピード感も、びっくりするくらいゆっくりなんです(笑)」

Fin.

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Photo_MURAKEN
Text_AYA FUJIWARA

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