ものんくる~角田隆太と吉田沙良が想像するRELOADING WORLD
CANALIZE meets MONONKUL

2018.09.25

「日本語にこだわり、音楽のジャンルにこだわらない。」と、自ら語る彼らの音楽性はジャズにカテゴライズ(CDショップのJ-POPではなく、ジャズコーナーに置かれる事)されるらしい。確かに過去3枚のアルバムのプロデュースを、ジャズよりのアーティストである(鬼才)菊地成孔氏が担当していたことも何らかの影響があったことは容易に想像がつくし、新作がセルフプロデュースであることは、彼らが3枚目リリース時に語っていた「ポップスの器の中にジャズ感がある」音楽作りを、より強く意識していることにも表れているかもしれない。音楽関係者周辺からも「(15年前の)ノラ・ジョーンズのように、OLにももっともっと売れるはず」とか「Suchmos、cero、SANABAGUN、WONK」のような同世代の洗練されたサウンドや女性ボーカルが歌う都会のナイトミュージック(?)を求めている多くの人達に届くはず」といった声が聞こえるようだ。

DSC_3588s2

最近彼らと接する機会が増え*2、様々な場所で、多彩なミュージシャンとともに作り上げたCDやライヴ(やリハーサル)等のパフォーマンスを聴く・観るにつけ、どうも彼らの目指している音楽や表現したい世界観は、狭い音楽業界で語られる古い二元論~「ポップスとジャズ」「メジャーとインディペンデント」「日本語と英語の歌詞」等では到底語ることができない、深くて、まだまだつかみどころがない、まさに「RELOADING WORLD」であることを実感した。

今回のインタビューは都内近郊の彼らのプライベートスタジオで行われた。彼らの口から発せられた言葉(独特の言い回し)は、とても意外性に富み、そして妙に納得できるものだった。

彼らに最初にぶつけた質問は・・・「今現在、自分の職業は何?と聞かれたら、なんと答えますか?」その時、

角田隆太君(以降角田)「音楽家ではあると思うんですが、あえて言うなら『書記』ですかね。」この発言に、やや驚いた様子で、

吉田沙良さん(以降吉田)は「確かに、言葉として選ぶなら、そうかもしれない」と同意。

 

角田「音楽家と言えばその通りだけど、自分の中にあるものを思い切り出してみた!的なクリエーターとも言えないし」「鳥の視点(どこか自分から引いたような立ち位置から視ている)のような感覚です」

「例えば『ものんくる』の音楽を作る時も、(吉田)沙良のやりたいことを解釈し、他のアーティストの楽曲を書いたり編曲をしたりする時も、その人の世界観を自分のフィルターに入れてどう表現するか、その感覚が『書記』に近いと思う」

 

同じ質問を、彼女にぶつけたら、さらに意外な答えが返ってきた。

吉田「ホントは『主婦』って言いたいところなんですが・・・いろんなことを楽しくやらせてもらっている」という(角田も彼女のことを「(真の)自由人」と表現する)。

では、その主婦像と問うと、

吉田「とにかくハッピーに生きていたい、という意味で主婦でいたいという欲求が強い」「今携わっている仕事は全部面白くて、半分仕事だけど半分仕事と思ってない部分があって。趣味の延長というか。イメージ(ロールモデル)は自分の『母親』かもしれない。家族の事を一番大切に、家事も完璧にこなしつつ、とても多趣味で、自分でやると決めたら、とにかくそれに没頭して、やり通した『母親』…それが、私にとっての主婦」だと言う。

とても活動意欲・創作意欲に溢れたアーティストとは思えない、どこか冷めた現状(自己)分析である。

そこで、「今のここ(ミュージシャン、ものんくる)に至る、キッカケ(≒ターニングポイント)」を訪ねると、さらに意外な、しかしこれからの彼らの音楽の方向性を強く感じさせる発言が飛び出した。

 

 角田「ターニングポイントは、小曽根真さん*3が音楽監督を務めていた、井上ひさしさんの遺作『組曲虐殺』を観た時、日本語でこんなにカッコいいことを表現できることに感動」し、「日本語と音楽の組み合わせの可能性を実感した」という強烈な体験、だという。ちなみに同じ舞台を吉田は体験していない。同じ質問を吉田に尋ねると、これまたユニークな答えが返ってきた。

吉田「特にターニングポイントは意識したことがないけれど、3歳のころから、歌うことに強い関心があって、漠然と『Mステ』*4に出たいと思った。」。

 

「ものんくる」は角田隆太がほぼすべての楽曲の作詞・作曲・編曲を担当。ライヴではバンマスとして、バンド全体をコンダクトしながら、主にベースとアコースティックギターを演奏する。吉田沙良は一部楽曲の作詞・作曲を、ライブではボーカルとキーボードを担当。ジャズをベースにした彼らの音楽は、ライヴでは(ほぼ固定であるが)日本を代表する腕利きのミュージシャンに支えられ、ステージの度ごとに、巷に流れるJ-POPとは大きくかけ離れた、進化(RE-ROADING)した、パフォーマンスを披露し続けている。

今世界の音楽トレンドでもある「新世代ジャズ*5」でも、重要なポジションでもあるベース(プレーヤー)。ではなぜ彼がベースという楽器を持つに至ったのか、よくあるストーリーが、どんどんユニークな視点につながっていく。

1 2 3 4
Photo_MOTOYA SAHARA
Interview & Text_HIROTSUGU SHIBATA(LDL)

Latest Posts

  • 2020創業祭

    <CANALIZE>2020.12.8 創業4周年にあたり
    御礼&創業記念祭のお知らせ

    2020.12.08

  • ①DSC08995

    CANALIZE meets Eri Ristori|ADER.bijouxデザイナー・株式会社atelier W 代表取締役 英里・リストリ
    フランスへの憧れが生み出した自分にしかできない...

    2020.07.22

  • 図2

    新作のご紹介
    NEWS

    2020.06.11

  • 休止案内

    お詫び|商品のご配送を一時的に休止いたします。
    NEWS

    2020.04.28

  • toptriming

    CANALIZE meets Michiko Nakayama|ファッションデザイナー 中山路子
    人の心を、社会を動かす、ファッションという魔法...

    2020.02.27

  • IMG_0236

    CNLZ商品新入荷のお知らせ
    NEWS

    2020.02.25

MORE

Contents

  • 24
  • 〈CANALIZE〉

ページトップへ

ページトップへ