ものんくる~角田隆太と吉田沙良が想像するRELOADING WORLD
CANALIZE meets MONONKUL

2018.09.25

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ここで、ちょっと意表をつく質問を投げかけてみた。

柴田「僕がものんくるの中で気に入ってる(気になってる)曲は『たらけも』(アルバム「南へ」収録)」といったら、二人から、同時に「えーっ!?」という驚きの声が上がった。

外国の子供が聴いても、言葉がリズムと一体化して、メッセージが伝わっていくような楽曲『たらけも』は、実は重要な曲と感じている。

例えば「イマジン」(ジョン・レノン)や「ノーウーマン、ノークライ」(ボブ・マーリー)は、その歌詞が持つ深い意味やメッセージが、簡単な英語詞と印象的な美しいメロディを伴い、普遍性をまとった稀有な楽曲として、世界中で時代を超えて愛されている。角田が日本語でやりたいこと、トライしたいことはまさにこのような楽曲を生み出すことではないだろうか。

 

いよいよ話は「ものんくる」の音作りの核心に進んでいく・・・。

 

角田「曲を作る時、一番最初にデモを準備して、そのデモトラックを生楽器に差し替えていくんですが、結局差し替えなかった方(デモ)が良かったということが、結構あるんですよ。生音に対する信頼感(良いものであるはずという気持ち)が、ちょっとずつ変化してきた気がします。」「デモがデモ以上の出来栄えになり、生の(ストリングス)の代替えであったはずのテープストリングスが、その楽曲に最適に思えたり」「(制作過程においても)これまでのデジタルとアナログということに対する固定概念が無くなってきた気がします」

 

さらに音楽の世界に「AI」が侵食してきたら、「言葉と音階の最適の組み合わせとしての「楽曲」が登場し、その発表の場として、もはや野外フェスとか、かつての武道館や東京ドームへの憧れが無くなってしまうのでは?」「自分たちの音楽はどういう聴かれ方をして欲しいか?」という、ちょっと意地の悪い質問に対しては、

 

吉田「もちろんライヴは聴いて欲しいけど、同じくらいに音源(楽曲)が大事だと思っています。外に出られない人も、会場の煙や混雑が苦手な人もいるし」「でもAR,VRといったテクノロジーにものんくるが使われたらいいなって」

角田「(同じく)クォリティの高い音源(楽曲)を、より早いペースで作っていくことが大事になってきているので、そこでテクノロジーの助けを借りることはあるだろうと思います」

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最後に「アーティスト(クリエーター)として、これからの遠くない未来自分たち(ものんくる)は、どこに向かっていくのか?」 という質問に対して、二人ともほぼ同じ答え(思い)を返してくれた。

 

角田「まだまだ自分が作りたいものに対して、まだちゃんとしていない状況が続いていることは確か。でも『ものんくる』だけをバンドとしてやっていこうと決めましたが、(他のアーティストへの)作詞作曲はどんどんやっていきたいし、引き受けていきたいし、同じ熱量で取り組んでいきたい。まだまだ汗をかくときだと思っています。」

吉田「将来のことは、どうなっているか分からないけど、興味あることは全部やって、自分達の周りにいる優れたクリエーター達と、垣根を無くしてコラボレーションしたい。(今まで以上に、音楽で)創造して、何かをアウトプットすることにどんどん興味が湧いてきている」「さらに大きい会場を目指して歌いたい」とか「大きなフェスに出たいとかいう目標より、(音楽以外にも)ファッションや舞台、映画、料理等幅広く好きっていうことが、心地良いんです」

 

クールで、客観的で、実は野心的な戦略も持ち合わせている、「ものんくる」の二人。2020年のオリンピックイヤーには、本人たちも想像しえなかったポジションに立って、活躍しているかもしれない。

 

 

*1「MON ONCLE」・・・伊丹十三が責任編集として携わった幻の雑誌(1981年創刊、6号で休刊)

*2「彼らと接する機会が増え」・・・インビュアー(柴田)が主催する音楽イベント「TOKYO LAB」(渋谷クラブクアトロにて昨年より開催)に二人が(別々に)出演

*3「小曽根 真」・・・世界で活躍するジャズピアニスト。1961年神戸市生まれ。名門バークレー音楽院を首席で卒業。

*4「Mステ」・・・テレビ朝日系列で放送される人気長寿音楽番組「ミュージックステーション」の愛称。司会はタモリ。

*5「新世代ジャズ」・・・2010年代から頭角を現してきた若手ジャズミュージシャンたちによる、新感覚のジャズ。ロバート・グラスパーやカマシ・ワシントン等が代表アーティスト。

*6「坂口安吾」・・・小説家、評論家、随筆家。新潟県新潟市出身。純文学をはじめ、歴史小説、推理小説他手掛けるジャンルは幅広く、独特の作風で知られる。代表作は「堕落論」「桜の森の満開の下」他多数。

*7「小西遼」・・・ミュージシャン。1988年東京生まれ。洗足学園大学在学中から国内外のジャズフェスティバルで活躍。『ものんくる』の角田も初期メンバーだった『CRCK/LCKS』のリーダー。

*8「サブスク全盛」・・・サブスクリプションサービス(会員制)。「SPOTIFY」「Apple Music」等月額制の音楽配信サービスが若い世代の音楽視聴環境の主流になっていること。

*9「松本 隆」・・・作詞家。松田聖子他の楽曲への歌詞提供で知られる。代表作に「木綿のハンカチーフ」「風立ちぬ」他多数。日本語のロックの代表的バンド「はっぴいえんど」のメンバーでもあった。

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Photo_MOTOYA SAHARA
Interview & Text_HIROTSUGU SHIBATA(LDL)

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