数多くの出会い、きっかけに導かれた、幸運な現在。
CANALIZE meets Akio Mitobe|HBNS(ハバノス)

2018.10.05

 

ブランドの設立と葛藤

そして、新たな展開

 

———ご自身のブランド『HBNS(ハバノス)』について教えてください。

 

『HBNS(ハバノス)』(注:HABANOSの略表記)は、2005年頃に、立ち上げました。HABANOSとはキューバ産の葉巻の中でも、特定の畑から収穫された最高の素材を、最高の職人が作り、生産本数も制限されるという選ばれた銘柄を指します。自分のブランドも、そんな気持ちでモノ作りをしていきたい、という思いを込め、HABANOS(ハバノス)と名付けました。後は、葉巻が持つ、大人の艶というか、色気というか、そんな雰囲気が自分のブランドからも伝わるようにしたいとも考えました。

 

———立ち上げ時の情況はいかがでしたか?

 

当初はアイテム数も少なく、ブランドとしては、自分ができる範囲での展開をしていました。会社としてはビジネスを成立させなくてはならないので、OEMも継続してやりました。やる気だけは強かったので、先輩たちからチャンスを頂けると、まずは「はい!やります!」と仕事を受けて、その後、試行錯誤を繰り返しながら、経験を積み、スキルを高めていき、それを自分のブランドにも還元していた時期でしたね。

 

———『HBNS(ハバノス)』の転換期はありましたか?

 

例えるなら「最高の食材があるのに、料理のスキルが追いつかない」という焦りが続いたのですが、だんだんとそのバランスが取れるようになり、注目してくれる人が増えて、より広く広めていただけるようなお話をいただくようになりました。具体的には自分自身も憧れていた、セレクトショップの『THE CONTEMPORARY FIX』さんが扱ってくれるようになり、アイテムも動き出し、そこからブランドが新たなフェイズに入ったと思います。

———今年、2018年は、ニューヨーク・メンズ・ファッション・ウィーク(以下、ニューヨークメンズ)に参加されましたね?

 

7月9〜11日に開催された、ニューヨークメンズで、15ルックをプレゼンテーション形式で発表させていただきました。初めての事でもありショーまでは、常に何かを判断しなくてはならなかったり、目先の点だけを追いかけるような、目まぐるしい日々だったのですが、色んな方に助けられながら、多くのフォローをいただきながら、なんとか形にする事ができました。

 

———ニューヨークでの手応えはありましたか?

 

振り返ると、自分自身がアメカジ好きで、ブランドの根底にアメリカのファッションへのリスペクトがあることもあり、ニューヨークでプレゼンテーションできた事は、自分のキャリアにとっても大きなことのように感じています。日本だとプレスはファッションメディア中心になると思うのですが、現地では、ニューヨーク・タイムスやロイターなどからも取材を受けたりして、ファッション文化が人々の日常に自然とリンクしている印象も受けました。

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Interview & Text YASUSHI FUJIO
Photo MOTOYA SAHARA

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