心に浮かぶ感情を、ひとつひとつの作品に込めて。
CANALIZE meets Mai Kurosaka 画家 黒坂麻衣
広大な雪国の原風景
—小さい頃のことについて教えてください。
青森県の八戸市で生まれて3歳くらいまで過ごし、それから北海道の十勝に移りました。青森の記憶は小さかったのであまり覚えていないのですが、少し大きくなり祖父を訪ねた際に、栗林や海辺を歩いた記憶が残っています。
十勝では、父の所属していた乗馬クラブに、週末に郊外に車で向かうと、突然鹿が道に現れたりするようなことがあったり。10歳頃には親の仕事の関係もあり、埼玉県に引っ越したのですが、そんな小さい頃に自然に触れた経験が、自分の作品を生み出す原風景になっているように感じています。
絵を絵描く事が大好きな子供で、当時スヌーピーを描いていたら、周りの友達が褒めてくれたり、美術の時間には、自分の絵のそばに人が集まってくれたりして。内向的で人付き合いが得意では無かった自分にとって、絵はとても大切なコミュニケーションツールでもありましたね。
【ここではないどこか】
—美大志望だったのですか?
高校時代は美術部に所属したのですが、美大に進路を絞っていたわけではありませんでした。当時は他の部員の人や先輩、先生との交流を通じて現代アート、演劇、映画とか、表現というものに対しての視野を広げていたように思います。
私自身は美大という選択肢に余り積極的では無かったのですが、高校が美術科という環境だったり、両親が美大進学への後押しをしてくれたりしたこともあり、多摩美術大学絵画科に進学しました。
大学へは自宅から通っていたので、余りアルバイトなどに時間を割く必要もなく、図書館に通ったり、授業のための作品作りや、自身の作品作りに没頭した学生生活を過ごしました。
—美大卒業後はどのようなお仕事を?
2008年大学卒業後は子供服のアパレルメーカーに就職して、イラストや図案などの制作をしていたのですが、拘束時間が長かったり、人間関係で馴染めないことも多く、体調を崩してしまい3年ほどで退社しました。
その後イラストの学校に通ったのですが、作風がイラスト向きではないと言われたり、他の人を例に出されてより個性的な作風を要求されたりして、あまり自分には向いていない環境のように感じました。それからは自宅で作品を作りに集中して、SNS等で発表するような生活に。自分にとっては、イラストという言葉より、タブローという表現の方がしっくりくるのですが、画家という意識を強く持ち作品を作り、そこから様々な領域で仕事ができればと考えるようになり。
そんな作品のいくつかに注目してくださる方がいて、運も良かったと思うのですが広告のイラストや、本の装丁などのお仕事をいただけるようになり、2013年にはADC賞入選、2014年にはJAGDA入選などの評価もいただき、アートワークとクライアントワークをバランスよく発表できるようになって行きました。
プロフィール 画家 黒坂麻衣
撮影 清家正信
1986年青森生まれ、その後北海道を経て10歳以降は埼玉県へ。2008年多摩美術大学絵画科油画専攻卒業。2013ADC賞入選、2014JAGDA入選。2013年11月 作品集「Silent Landscape」刊行(浅草橋天才算数塾発行)。自身のアートワーク以外に、書籍、広告等幅広い分野で活動。【Exhibition】 2012年 個展「IMAGES~ここではないどこか」浅草橋天才算数塾、2013年 個展「Silent Landscape」浅草橋天才算数塾、2017年 個展「Wind」 YUKI-SIS、2018年 グループ展「PORTRAIT」
2019年 ファッションブランド「CNLZ」とのコラボレーションを実施。CANALIZE WEB SHOPで発売予定
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