最弱なビジネスパーソンとして、「笑い」を生むゲームを創造し続ける。
CANALIZE meets Shimpei Takahashi 株式会社 ウサギ 代表取締役 / おもちゃクリエイター 高橋 晋平
クラスの人気者への嫉妬や憧れ
—小さい頃はどのような子供でしたか?
秋田県北部の鷹巣町(たかのすまち)、現在の北秋田市で生まれました。子供の頃は、キン肉マンや、スーパー戦隊シリーズに夢中でしたね。最初にはまったおもちゃが、車がロボットに変形するトランスフォーマーで、その後、ゲームボーイ、スーパーファミコンなどのゲームに手を出すようになり。
家に父のNECパソコンのPC-9800シリーズがあったので、小学4年生頃からプログラミング言語のBASICを独学で覚え、簡単なゲームやグラフィックを作って遊んでいました。
心臓が悪くて部活もできず、友達の少ない内気で暗い性格で、スポーツ万能な自分の姿や、かめはめ波が使える自分を想像したりする妄想ぐせのある子供でした。そのコンプレックスもあったのか、勉強は頑張っていて、テストの成績は良かったですね。
運動のできるクラスの人気者が、教室で笑いを取っている姿を、羨ましく横目で見ながら、それをレベルが低いと思ったり、自分の方が面白い事を思いつくんだとただ妄想したり、そんな屈折した感情を持ちながら学生生活を送っていました。
—大学は仙台の東北大学へと?
数学、物理が得意だったこと、NHKで放送されていた学生のロボットコンテスト 「NHK大学ロボコン」が大好きだったこと、トランスフォーマーのようなロボット玩具が好きだったこと、プログラムに興味があったこと等々、自分にとっては自然な流れで進路を理工系に決めました。
東北大学工学部に入学し、機械知能、メカトロニクスを学び、人形を糸で自動制御させることを卒論のテーマにし、その後、東北大学大学院情報科学研究科に進学しました。そこでは、自分が落語研究会に所属していたこともあり、落語家の音声から身振りや表情の情報を読み込むプログラミングを作り、それをCGで再現することで、聴く人が音声だけの時より面白く感じるかどうかを確かめるような研究に没頭しました。
このような話をすると、研究熱心な学生と勘違いされるのですが、僕の大学生時代を支配していたのは落語研究会での活動で、自分が人の前で落語の演目を話すことで笑いが起きるという事に、言い表せないような喜びを感じていて、場所を貸してくれる蕎麦屋さんとか、福祉施設、時には会場を借りて行う寄席で毎週舞台に上がっていました。
最初は緊張もあり、全くウケず、痛い空気に包まれることも多かったのですが、続けていくうちに徐々に会場が笑いに包まれていくことも増え。そんな中で、自分の中で“笑い”という領域が「自分の能力を最大限に生かせるフィールドだ!」という確信というか、若き日の勘違いというか、ある種の使命感のようなものを抱くようになっていましたね。
『笑い』と『モノ作り』を結び付けられる『おもちゃ』
—就職はどのようなお考えで?
さすがに芸人さんになるような力が無いことは理解していたので、メーカーに就職することが自分に一番向いていると思い就職活動を始め。『笑い、人を喜ばせること』と『モノ作り』を結び付けられるモノが『おもちゃ』であるという結論に達し、就職先は玩具メーカーに絞るようになりバンダイにアプローチしました。
1次面接では、自分の個性や熱意に自信もあり余裕で受かると感じ、それを面接官も理解してくれたのか無事通過しました。その後2次面接に進むと一緒に面接を受けるメンバーのレベルがいきなり高くなったように感じ、試験後不安な気持ちで仙台に戻りました。
その期間にバンダイに入りたいという思いが強くなり、最終に呼ばれた際はものすごく嬉しくて、強い思いで最終面接に臨み、無事採用していただけることになりました。
—子供の頃から感触フェチや、同じ事を繰り返す癖があるというエピソードをお聞きしたのですが?
小学生時代、アラビックヤマトという液体のりの容器にできる気泡の形や感触が不思議と気になり、容器を動かして気泡の形を変えたり、大きな気泡を分断したりするような事を、遊びとも思わず無意識に、長い時間やっていました。
後は、鉛筆の持ち方が悪かったのか、人差し指の内側に小さなタコがあるのですが、それが硬くなるとハサミで削り、薄くすることを繰り返したり。大きくなってからですが、頬に生える毛を抜くことがやめられず、気になるとすぐ抜いてしまったり。
株式会社 ウサギ 代表取締役 / おもちゃクリエイター
高橋 晋平氏(たかはし しんぺい)
秋田県北秋田市生まれ。東北大学工学部入学、同大大学院情報科学研究科修了。2004年大手玩具メーカーに入社し、主にバラエティ玩具の開発に携わる。累計335万個を販売し、第1回おもちゃ大賞を受賞した「∞(むげん)プチプチ」等、数多くのヒット商品を世に送り出す。2014年に独立し、株式会社ウサギを設立。ボードゲーム・カードゲーム『民芸スタジアム』『グーチョキパーダラピン』『THE仮想通貨』『アンガーマネジメントゲーム』『職業診断ゲーム わくわくワーク』や、IoT鳩時計『OQTA HATO』などの開発に携わる。著書に『アイデアが枯れない頭のつくり方』(CCCメディアハウス)、『一生仕事で困らない 企画のメモ技』 (あさ出版)など。
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