最弱なビジネスパーソンとして、「笑い」を生むゲームを創造し続ける。
CANALIZE meets Shimpei Takahashi 株式会社 ウサギ 代表取締役 / おもちゃクリエイター 高橋 晋平

2019.03.08

僕の場合はやや特殊なエピソードですが、人それぞれ感覚的な何かを繰り返すことを快楽と感じるような気がして、この記憶がゲーム開発の際に感触を大事にする自分なりのメソッドになり、バンダイ時代のヒット作で、第1回おもちゃ大賞を受賞した、梱包材のプチプチを潰す感触を楽しむ『∞(むげん)プチプチ』や『∞エダマメ』へと繋がっていったのかも知れないと感じることがあります。

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【国内外累計335万個を販売し、第1回おもちゃ大賞を受賞した『∞(むげん)プチプチ』

 

また、大学生の頃からお笑いコンビのラーメンズのネタのDVD集を10年間ほぼ毎日、何回も繰り返して観たり、14日連続キムチ鍋を食べ続けたり、奥田英朗の小説ばかり繰り返し読み続けたり、にゃんこ大戦争というゲームを6年間毎日やったり、音楽はチャゲ&飛鳥と奥田民生の同じ曲を聴いたり、現在は『孤独のグルメ』を毎晩繰り返し観たり、、、。そんな同じことを繰り返す癖があります。

 

広く情報に触れることも大切だと思うのですが、自分の中に大きな意味を占めた作品などをループし続けることで、その背後にある、楽しさを生み出す “骨格”のようなモノが抽出されてきて、それが新しい発想やプロダクトを生み出す際の、共通した基盤となっているように感じることがあります。

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企画、アイデアを具現化、商品化する際の、高橋さんなりのノウハウはありますか?

 

今思い返すと、闇雲にアイデアを出し続けていた頃は「こんな面白いアイデアを生み出したのだから、ユーザーは楽しんで当たり前だ!」というような、自分が創造の神のような立場で、商品開発をしていたのですが、企画が社内で通らなかったり、商品が全く売れない事が続きました。

 

そんな無鉄砲に開発をしていた時に、梱包材のプチプチを潰す感触を楽しむ『∞(むげん)プチプチ』というヒット商品が運良く生まれました。なぜか、「このアイデア、商品はイケる!」という確信だけに突き動かされ、社内を説得して商品化され、自分も発売日に店頭でデモンストレーションを行ったところ、今まででは考えられないようなスピードで商品が売れていきました。

 

そんな風景を目の当たりにして辿り着いたのは、「自分がお客だったらそのアイテムを買うか?」、極端に言えば「客は自分自身」という考え方でしょうか。それまでの自分は、企画を出すことだけで満足していて、実際自分がその商品すら購入していなかったんですね。もしターゲットが、子供だったり、女性だったりした場合は、自分の身の回りの大切な人を想像して、「その人に自信を持って勧められるか?」、「その人に買ってあげたいか?」というように考えることにしています。

 

「最弱なビジネスパーソン」としての独立、起業。

 

ヒット商品にも恵まれ、社内的な立場も良かったと思うのですが、なぜ独立という選択肢を?

 

実は10年ほど前に体調を崩し、休職をせざるを得ない状況になり、1年ほど経ったタイミングで、退職という形になりました。その後、社内の理解者の尽力もあり、中途採用という形で復職することになったのですが、その時に健康が、自分の体が一番大切なことだという思いを強く抱くようになり。

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また、新卒採用の横並びの社員という立場を失ったことで、同期との出世争いや、社内政治のような、精神的に大変なことから解放されたという意識になり、会社というものをどこか引いた目線で見ることができるようになりました。

 

結局、同じようなペースで働いていたら、また少しずつ体調が悪くなっていったことと、会社から求められる役割が、やりたいギャググッズ開発とだんだんずれてきているように感じたことから、本当にやりたい仕事と働き方をしようと思い、退社を決意しました。

 

独立後はいかがですか?

 

独立直後は、いわゆるスタートアップのような、そんな野心があるわけでもなく、記事を書かせてもらったり、イベントの動画編集をしたり、店頭販売のバイトやったり、ある種日雇い感覚で、人に甘えたり、人脈を辿って収入を得ていました。家族も、家のローンもあり不安もあったのですが、不思議と生活もできて、「東京には仕事がある」そんな漠然とした自信のようなものが生まれました。

 

そのうち辞めた会社からもお仕事をいただけるようになり、開発、営業、PR等々、様々なセクションを横断してお取引をさせていただけるようになりました。その時に気付いたのは、組織の中ではセクションごとの事業領域という、ある意味線引きのようなものがあったりしますが、自分のように外部スタッフとして働かせていただくと、いろいろな事業領域で自分の強みだけを活かして仕事ができるということでした。

 

予防医学者の石川善樹さんから「最弱なビジネスパーソン」と評していただいたことがあるのですが、体も心も弱い自分にとって「弱さ」、「弱み」を認識していることが、自分の強みだと感じています。自分の「弱さ」を前面に出せるが故に、クライアントや、自分の能力を補完していただけるスタッフとの、より深い、率直なコミュニケーションが可能になり、プロジェクトがいい方向に向かうケースが増えています。

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Interview & Text YASUSHI FUJIO
Photo MOTOYA SAHARA

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