—ヘアスタイリストを目指したきっかけは？

小学3年生の時に、テレビでファッションショーの楽屋の様子が流れているのを見て、ヘアメイクをしているアーティストの姿がかっこいいと思ったことがきっかけです。それからずっと、どうしてもヘアメイクの仕事をしたくて、何故か解らないけど“これしかない”と思いました。

振り返ってみると、小さい頃から鏡を見るのが好きでヘアやメイクに興味がありました。その頃、友達にいじめられるのが嫌で、目立たない服装にして、前髪の分け目も友達と同じにしていたのですが、鏡の前で前髪をセンターに分けてみたときに、「このバランスすごくいいな」と思って。それから髪型とか顔の輪郭とかをすごく観察して、引っ張ってみたり叩いてみたりしてちょうどいいバランスを見つけることに夢中になっていました。そんな時にファッションショーのテレビを見たので、ハマったのだと思います。

—ヘアスタイリストへの道は、どのようなものでしたか？

まず美容学校に行き、大阪のへアサロンで美容師をしながらヘアメイクさんにも師事していました。

30歳までの計画を立てていて、いつ迄にスタイリストになる、何年目には売上をいくら獲得して、指名数をいくつ取る･･･。と数字の目標を立ててそれを超えていくのが楽しみでした。

ところがある時、ヘアメイクの師匠に、この業界と美容師とは全然違う世界だと教えて頂いたのです。美容師として6年目の時、店長を任されたりしている時期で悩んだのですが、“動くのは今だ!”と、ヘアスタイリストの道に進むことを決意しました。それから、SABFA(SHISEIDO Academy of Beauty & Fashion)でヘアメイクを学び、卒業後に憧れの｢KUNIO KOHZAKI｣に師事をしました。今年(2019年)2月に師匠から卒業して、フリーのヘアスタイリストとして活動しています。

—最近手掛けられている代表的なお仕事をいくつか教えてください

モデルのラブリさん、アーティストのあっこゴリラさんのヘアスタイリングを担当させて頂いています。広告ではルミネ様、三菱地所様のビジュアル、ライザップ様のCM、このほか、これから公開される大手企業様のプロジェクトにもいくつか参加させていただいています。ミュージックビデオや、映画の中の主人公が作るアート作品をつくることもあります。ファッション関連では、山本哲也さんが手掛けるブランド「POTTO(ポト)」で、ショーのヘッドヘアースタイリストを担当させていただきました。今年はご縁があって、少しだけパリコレのアシスタントの経験をさせて頂く予定です。

上野さんのヘアスタイリングによる ファッションモデル ラブリさん

ルミネ様の広告

—順調そうですね

やりがいのある大好きな仕事に恵まれてはいますが、順調だと思ったことはありません。“まだまだ、もっとああしたい、こうしないといけない”という発想が止まったら終わりだと思う。ずっと刺激を求めないといけないなと思っています。

仕事は、専門学校の時の仲間や、今までに出会った人たちとの繋がりから頂くことがほとんどです。頂いた仕事は、一つ一つ一生懸命取り組んできたという自負がありますし、技術を高めるためにアート作品をつくり、テスト撮影をひたすら繰り返したりして、その積み重ねから得た人脈のおかげです。