Clothes in Society ファッションにプリンシプルを
CANALIZE meets Yusuke Tani|モデル、俳優 、ファッションプランナー 谷裕介

2019.09.28

—当時はどのような服を選んでましたか?

15 歳くらいの頃、たまたまイギリスの若い労働者の写真集を古本屋で見つけて、そのスタイルに憧れました。黒のスキニーパンツ、細身のポロシャツ、三つボタンスーツ、それからモッズコート、当時から私服の中にネクタイを取り入れる事も自然でした。モッズファッションをベースにアメリカンやフレンチスタイルも取り入れていった感じです。

古着屋に行って、その服の作られた時代にタイムスリップできる感覚が好きなんです。古着屋で働いている人の、ファッションに対する熱量が凄くて、それは単純に服だけじゃなく、その周辺にある音楽や映画、旅や哲学を大切にされているんですよね。古着屋の店員さんとの雑談が楽しくて、普通に会いに行って、ただ話して、帰る時とかもありました。そうしたコミュニケーションの延長で服を選んでいたことが多かったです。

好きな人がいる場所に、好きになる服があった。今思えば、すごく単純かもしれません。

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—仕事としてファッションに携わるようになったのはどのような経緯で?

大学院生の時に、ファストファッションの生産過程を研究するため、バングラデシュに1か月滞在しました。縫製工場で目にした労働環境には、驚きよりも、失望の方が強かったかもしれない。クーラーもないような場所で、地べたに座って裸足で作業をしている人がいる。託児所とかもあるんですけど、誰もいないところで幼い子供が寝ているだけ。おおよそ良いとは言えない環境でした。その中で、安い工賃でも高いクオリティを求める先進国企業の受注に応じなければならない彼らをみて、生きる強さを感じました。

僕らは、1枚のTシャツを自分一人で作ることはできない、作る人がいなければ手にすることができないという人が殆ど。だからこそ、作り手を大切にしなきゃいけないよな。そんな風に現地で考えさせられました。そうやって、生産と消費の現状を研究し、文献を読んだり、色々な人と意見を交わす中で、ファッション産業における課題を解決したいという気持ちが生まれて。研究者になるよりは、モデルや俳優として表に出て、自分を使ってより多くの人に影響を与え、社会に発信したい。そう思って、今に至ります。

 

—ファッションプランナーとして、日々の活動を通じてどんなことを感じていらっしゃいますか?

日常的に、直感で服と出会うことも、考えて服を選ぶこともあると思います。ですが、そこに作り手に対する想いが少なく、ファッションが表面的であると感じます。

作り手がいないとモノを手にすることはできなくて。

だからこそ、服を売る時や買う時に、その価値をビジネスの強みとして使う人があまりいないことが課題なのではないかと思います。

食の分野では、農家の課題をうまく利用して、安心や安全を社会的価値だけでなく、経済性と結びつけているところが増えてきたなと感じます。それは直接、消費者の身体に関わるものだからイメージしやすかったのかもしれない。でも、ファッションも同じだと思うんです。

 

僕は、自分と服との間に哲学や思想、すなわちプリンシプルをもつことによって、それは変わると思っています。“なぜ”、あるいは“何のために”その服を着るのかを考え、「服を着る」から、「服と生きる」への脱皮をすること。多くの人がファッションへのプリンシプルを持つためにはどうしたらよいのかということが、僕の知的創造空間を、昨日も今日もいっぱいにしているって感じですね。

 

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Text:Yurina Goto
Photo:Takuya Saito

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