人の心を、社会を動かす、ファッションという魔法に導かれて。
CANALIZE meets Michiko Nakayama|ファッションデザイナー 中山路子

2020.02.27

 

—アウトプットには、インプットも大切だと思うのですが、日々意識されていることはありますか?

 

少し前に絶滅危惧種や環境問題などを急に意識するようになり、書籍を読んだり大学などで行なわれている講演会を聞きに行きました。そこで「生物と無生物のあいだ」などのベストセラーでも有名な、生物学者の福岡伸一先生と知り合うことができて、様々なことを教えていただき関心領域も広がって。

 

興味を持ったジャンル、テーマの講演会に参加することも増え、ある時は生物学だったり宇宙、数学だったり。気になることについては思いのままに情報を集めに行きますね。

 

自分のファッションのアウトプットとどう結びついているかは未知数なのですが、変に構えずに自分の中に湧き上がった好奇心に素直に従って行動していると思います。

 

—京都精華大学にて講師を務められていたそうですが、どのようなご経験でしたか?

 

かつて大好きだったブランドに携わっていらっしゃった方から、京都の大学の服飾のカリキュラムをお手伝いする仕事を依頼されて、3年間、毎回20名程の学生さんにファッションについて講義をする機会をいただきました。

 

私が受け持たせていただいたのが、1、2年で基礎を学んできた3年生のクラスで、これからファッションの世界にどのように関わっていくかを考えていくようなタイミングの生徒達で。

 

二十歳頃の若い人のファッションに対する思いや言葉は、とてもシンプルで直接的でもあり、彼らの質問に答えることがとても難しいことでもあり、逆に気づきを与えて貰うことも多くて。自分にとってファッションというものを改めて見つめ直す機会にもなり、とてもプラスになった経験でした。

 

【東京・神田明神境内の『M(エム)』のギャラリーショップ。アート作品も展示さた、柔らかな時間が流れる空間。】

 

—2017年にスタートされた新ブランド『M(エム)』について教えてください。

 

ミュベールのスタートから10年が経ち、ブランドとして新たな方向を示す必要性も感じて。自分が着飾るという視点だけではなく、「その空間を共有する人やモノを敬う」という考え方で、シンプルでありながら細部にこだわったブランド『M(エム)』が生まれました。

 

衣服の持つ“間接的影響力”がテーマなのですが、例えば展覧会や食事会などで、個を持ちつつも主役となる作品や“他人”を引き立てられる、そんなモノ作りに挑んでいます。

 

『M(エム)』の東京・神田明神境内の店舗は、販売だけでなくアート作品の展示を行うなどギャラリー、コミュニティーづくりの場所でもあり、一度お店に入ると2時間くらい滞在していただけるお客さんもいらっしゃったり。青山と比べ時間の流れが少しゆったりしているエリアで、しっかりとアイテムをご覧頂きながらブランドの世界観を感じていただける空間になっていると思います。

 

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Interview & Text YASUSHI FUJIO
Photo MOTOYA SAHARA

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