スタイリストは天職
“ものづくり”に専念できる今の環境に感謝
――個性を感じさせつつも、ニュートラルなスタイリングが特徴の髙橋ラムダさんですが、スタイリストになったきっかっけは?
「実はスタイリストさんに2回弟子入りをしていて……、迷走していましたね(笑)。
最初はts(s)のデザイナーである鈴木卓爾さんの元で修業させてもらって、ts(s)の洋服の生産と同時にスタイリストのアシスタントをしていました。それを3年ぐらい続けた後に知り合いとショップをやるように。その後、ヨーロッパに行く機会が増えて、様々なモード服を見るうちに『もう一度、きちんとスタイリストを勉強したい』と思うようになり、ムービーやレディスのスタイリストをされていた白山春久さんの元に弟子入りさせてもらったんです。自分の中で“つくる”ということを仕事にしたいという明確な意思はありました。洋服の生産をやりましたが、洋服を作ってもショップを作っても、とにかく仕事柄、電卓を叩く時間が長かったので“これってモノ作りなのかなぁ……”と自分の中で行き詰ってしまって、それでスタイリストをもう一度目指したんですよ。今は事務所に所属していて、マネージメントはすべてやっていただけるので、ページ作りやモノ作りに専念出来て仕事自体を楽しめるようになりました」
――モノづくりに没頭できる環境は整ったようですが、ひと口にスタイリストといっても、服を選んで着せるだけではなく、ページのディレクションなど様々な仕事が増えてきました。ラムダさんが考える「これからのスタイリストのありかた」は?
「僕自身も模索しているところですね(笑)。方向的にはアーティストやタレントに衣装を着せることに特化してしまうか、エディトリアルに携わって自分ベースで雑誌などの媒体作りを目指すか、の二択だと思います。自分としてはどちらも好きなので、今は両方やっていますが、方向性は決めないとなと漠然とは考えています。スタイリストという職業は資格も免許もないので、迷いどころですね。最近は、スタイリストとしてページ作りにも携わりつつ、友人のブランドのカプセルコレクションを作らせてもらう機会もあったので、お店にないアイテムをスタイリストの目線から足りないものを作ってみたり。“自分が着たい”という生意気なマインドではなく、スタイリストというモチベーションの中で、できる表現方法はないかなと、いつも自分の中で模索していますね。今までは来る仕事を待って……という感じが多かったんですが、今はワンチャンスもらって新しいヴィジュアル作りに挑戦するという試みを行っています。新しいヴィジュアルを気に入ってもらえば“ツバをつけて買ってくれ”ではないですけど、次もその次も仕事を振ってもらように、こちらから働きかけて、新しい見せ方を作り続けることに専念しています。じゃないと僕らの“作風”って盗まれちゃうことも簡単にできるので。あとA社さんでやったヴィジュアルをB社さんですぐにやるというのも難しいですし、色々、試行錯誤しながらやっていますね」
髙橋ラムダ/Lambda Takahashi
古着屋のバイヤーや販売員を経て、その後ヨーロッパを放浪。スタイリスト白山春久氏に師事後、独立。メンズファッション誌に広告、アーティストのスタイリングまで幅広い分野で活躍する、引く手数多の気鋭スタイリスト。日夜多くの洋服に触れ、その精力的な活動の中で培ってきた確かな審美眼は業界屈指。
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