美意識を紡ぐ富山に佇む ファッションを超えた文化の交差点
CANALIZE meets Mika Ichimura

JOURNAL, NEWS, , ,  2016.12.27

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――リピーターの方が多いんですか?

「地方都市ということもあって、何もしないと誰も来てくれないんですよ。だから、まずは自分たちの身の回りの友人を誘って、気に入ってくれた友人が別のお友達を紹介してくれて。そうしているうちに、だんだん、あそこなんだろう? ってフリーの方が入ってきて……。その積み重ねでリピーターになっていただいています。だから、最近観光客の一見さんも増えてはきていますが、平日はほとんど顧客様ですね。『今日行くね』って連絡が来るような、密な接客をしています」

――お客様との距離感が近いんですね。

「それは本当にスタッフの力がすごく大きくて。うちのスタッフはおもてなしとホスピタリティを兼ね備えていると思っています。私は時に小姑で、時にカウンセラーで、時に先生のような存在(笑)。今、モノはどこでも買える時代なので、実店舗で付加価値をつけるとしたら、それは店頭に立っている人の魅力だと思うんですね。だから私もその点は最重要視していますし、スタッフみんなも努力を欠かしていない部分です。そこをお客様が信用して支持していただいているので、本当に感謝の極みですよね」

 

作り手の意志が込められたものを。

ターゲットは0歳から100歳の男女

――90年代から富山でセレクトショップを展開してきて、時代の変化を感じることはありますか?

「やっぱり、興味はあるんでしょうけど、若い方が洋服に費やす予算が著しく減ったのは感じています。若いときはどうしてもお金がないので、買いたいものが買えないのは仕方ないんですけど、ご来店もないんですよね。見ようともしない。昔は高校生の女の子たちがお小遣いでは買えないけど、ものすごく興味はあって、いつか買うぞ! っていう気持ちでチェックしにきてくれていました。そして卒業して就職すると実際に買いに来てくれるんです。そういう段階のようなものがあったんですけど、今はそれが断裂しているというか。ファストファッションが流れてきて、それがダメというわけではないのですが、ただ、“作り手の意思”が入っているものを身につけることは、とても大切なことだと思うんです。だから、若い方にもっと洋服に触れてもらいたいなっていう想いはありますね。それで、お子様のいらっしゃるお客様には、どんどん一緒に来てください! って、いつも言っています。訳わからないけどどうやら洋服屋だなっていう感覚から、成長とともに意識に入っていって、そのひとつひとつがお子様の思い出になっていくと思うので。そのあたりを本来の形に戻したいですね。お金のウエイトがデジタルに向かっているのだと思いますが、それよりも人やモノと直接触れ合う実体験のほうがもっと自分を成長させるのになって思うんです。でも、それを言うとうるさいおばさんになっちゃうんで(笑)、とにかく発信していこうと。近くに小学校ができますし、学生さんも結構通るので、覗いてもらって興味をもってもらうだけでも文化的な発信だと思っています」

――今もガラスの向こうから、若い女性がお店の中をうかがってますね(笑)。

「本当にIVORYは0歳児から100歳のお年寄りまですべての方がお客様なんですよね。年齢も性別も意識せずに、楽しんでもらえれば。気持ちが上がる経験をしていただけたら嬉しいですね」

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――お店のスタッフには若い方が多いようですが、若いお客さんが減っていることについてスタッフの方はどう考えているんでしょうか?

「うちで働いている若いスタッフは、今の若者の中でもこの文化を広めたいという意識が高いと思うんです。だから、まずは身の回りの人に、自分が何に情熱をもって仕事をしているのかを発信しなさいって私からは伝えています。そして来店してもらい、接客の練習も兼ねて自分の仕事も見てもらう。その仕事に納得していただけて初めて購入に繋がるんだと。類は友を呼ぶというか、やっぱり一生懸命やっている人の周りには、その一生懸命さに敬意をもって応援してくれる人が集まるんですよね。全体で見れば若いお客様は少ないのですが、スタッフの力もあってまったくゼロというわけではありません。ただ、一般的かと言われるとそうではないので、人を育てる以前に志のあるスタッフを見つけることのハードルがものすごく高くなっているんです。だから入社してきたスタッフには、一生のパートナーくらいの気持ちで接していければと」

――年齢が関係のないラインナップなら、スタッフの方も長く働けますね。

「そう、全然関係ないんです。ベースにある最低限のセンスと、洋服が好きであること、人が好きであること、あとは真面目っていう当たり前のことさえもっていれば、本人の努力でいくらでも成長していけますから」

――今後はどのように展開していく予定ですか? 店舗を増やしていきたいとか……。

「今系列が6店舗あるんですけど、富山のこの市場ではこれが限界かなとは思います。各店舗によってそれぞれのカテゴリーがあるので、これからはその中で誰もやっていないことにチャレンジして、富山は面白いんだぞってことを発信していきたいなと。店舗同士の繋がりも深く、6店舗が団結しているので、みんなで盛り上げていきたいというのが一番の目標ですね」

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