軸を変えずに時代に寄り添うテクノロジー×ファッションの今
CANALIZE meets Kaie Murakami

2016.10.17

この15年の大変動の中、

進化はしても変わることなく

――ムラカミさんは、三宅一生さんの事務所で働いたのち、会社を立ち上げられたということですが、そのきっかけとなることはあったんでしょうか。

「数年間、ファッションに身を投じてきて、この世界がすごく保守的なことに違和感を感じるようになっていたんですね。当時、メゾンはパリコレでショーを開催するのに毎シーズン莫大な費用をかけていました。でも、限られた招待客にしか見てもらえないことや、本当に見たいと思っている人たちに見てもらえないことにストレスを感じていたりもして。自分は昔からテクノロジー分野に慣れ親しんでいたこともあって、インターネットの普及によって、多くの人がいつでもどこからでもショーを見られるようになる未来を想像していました。そんなことから、2001年にフランスの国営企業との協業で実験的にストリーミングでショーを行ったんですが、これがファッションとはまったく違う分野の人達に面白がってもらえて。」

――それはどういう?

「世界で初の試みだったっていうこともあって、招待客のなかにいた著名な建築家や、舞台演出家、テクノロジストの方たちからショー終了後に名刺を渡されたり、国際的な広告賞をいただくっていうことがおこって。以降もデジタルを応用していろいろなことを手がけていたんですが、そういった活動が目を引いたのか、いろいろな仕事の相談を受けるようになっていきました。」

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――それが2001年ということですが、結構ネットが広がり始めたな、という時期だったかと思います。そのときから、この15年の大きな変化はどう感じていますか?

「SIMONEは、創業時にオフィスを西麻布に構えたんですが、同じ年に六本木ヒルズができて、ビジネスチャンスを求めて色々な人たちが集まってきていたんですね。当時から考えると、一つの時代が始まって終わったぐらいの大きな変化があったと思います。ただ一方で、自分が想像していた未来や、そこで自分がやるべきことは、昔のインタビューを読み返してみても、良くも悪くもまったく変わっていないんですね。やれることは一つ一つ増えたりはしているけど。なので、個人的には周りは何やら目まぐるしく動いているな、っていう印象しかないです。」

――では、その根本にあるものはどんなものなんですか?

「自分がこの道を志したのは、衣服ではなく、その背景にある文化や現象性に興味があったからです。例えば、パンクカルチャーはヴィヴィアン・ウエストウッドやマルコム・マクラレン、ジェイミーリードのようなアートディレクターがいて、ザ・ピストルズの音楽があってと、点が線、線が面、面から立体になっていくことでカルチャーができあがっていました。それが社会を啓発し、時代が作られていく状況を見ていて、自分もいつかそういった文化の断片を担えれるような仕事に就きたいと思っていました。その後は音楽やグラフィックの勉強を独学でしていたんですが、最終的に衣服の基本だけでも勉強しようということになって。最初は、プリントTシャツが作れるようになれば…っていう程度だったんですが、結果ここにのめり込んでしまったわけですね(笑)。当時からするとファッションを取り巻く環境はガラッと変わったし、食や住などの仕事も増えてはきたものの、自分の根本は変わっていないし、これからも変わらないと思っています。デザインやテクノロジーはあくまでも手法の一つ。どんなビジョンを持って企業は社会と接続していくべきかっていう根源的なライフサイクルの追求が、自分とSIMONEというチームの役割だと思っています。」

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Photography_MURAKEN
Text_Aya Fujiwara

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